【1日10分】筋力を維持できる最低限のトレーニング方法とは【論文】

筋トレ

「忙しくて筋トレの時間が取れない……」

「最小限の筋トレでも効果が出る方法を知りたい」

「今の筋力を維持できれば良い」

そんなあなたに朗報です。

実は、「1種目・1セット・週2回」という、これ以上ないほどミニマムな筋トレでも筋力はしっかり伸びることが、最新の信頼性の高い研究から明らかになりました。

本記事では、その論文に基づき「どんな人に」「どのように」効果があるのか、実践モデルを含めて徹底解説します。

今は時間に余裕がある人でも、「いつか忙しくなる日」に備えて知っておいて損はありません。

忙しいあなたも、また未来のあなたも、ぜひ参考にしてみてください。

【驚きの結論】週2回・1セットでも筋力は伸びる!

項目内容
使用した論文The Minimum Effective Training Dose…(PMID:31797219)
対象筋トレ中級者
※女性、筋トレ初心者、上級者は対象外
種目パワーリフティング種目:
スクワット(SQ)
ベンチプレス(BP)
※デッドリフト(DL)は不明瞭
頻度週2〜3回
セット数各種目 メインが1セット(1日あたり)
回数6〜12レップ
強度70〜85% 1RM
努力度限界まで(volitional failure or momentary failure)
期間8〜12週間継続
結果
  • スクワット:+17.5kg
  • ベンチプレス:+8.2kg

※デッドリフトに関してはエビデンスが不足気味

初心者はNG。その理由は「フォーム」と「限界判断」

初心者の定義…経験ゼロで基礎ができていない

対象外の理由

  • 正しいフォームがまだ定着していない
  • 「限界まで」の判断が不正確

このためメインのセット数が1回だとなかなかフォームが定着しません。

🔰初心者の段階では?

10回3セットを高頻度で繰り返し、まずはフォーム習得を。

限界判断について

BIG3においては怪我のリスクがとても高いです。

BIG3の推奨限界

  • あと1回できるかわからない場合はそこでストップ
  • フォームが維持できない場合はストップ

よくあるNG例
→スクワットでしゃがむ深さがだんだん浅くなっていく

初心者の場合、自分はどれくらいで潰れてしまうのかわからないと思いますので、ある程度の経験値は必要です。

初級者はOK

初心者 ≠ 初級者

初級者:フォーム等ある程度の基礎は押さえた状態。

初級者は伸びしろが大きく、効果はあります。

⬛目安(1RM = MAX重量)

ベンチプレススクワットデッドリフト
初級者体重の0.75倍体重の1倍体重の1.25倍
中級者体重の1倍体重の1.5倍体重の2倍
上級者体重の1.5倍体重の2倍体重の2.5倍
なぜ中級者が研究対象だったのか?

初級者は伸びしろが大きいためどんなトレーニングボリュームや頻度でも、ある程度の筋力は向上してしまうため除外した可能性が高いです。

上級者はNG

先ほどの表の上級者レベルに該当する場合は研究結果のような重量の伸びは期待できません。

良くてもベンチ+2.5kg スクワット+5kg程度、もしくは維持するだけになるはずです。

⬛上級者が有効になる例

  • 減量が終わって増量しようと思っている時
  • 減量で失った筋力を戻そうと思っている時
  • しばらく筋トレから離れていて再開する時

これらの場合は、研究結果と同様の伸びは期待できます。

しかし生涯の自己ベスト更新は厳しいでしょう。

食事をおろそかにすると効果は半減

論文には食事条件の記載はありませんが、次の点には注意が必要です。

  • タンパク質が不足している
  • 極端なアンダーカロリー ※消費カロリー>摂取カロリーの状態
  • タンパク質:体重×1.6g/日をしっかり摂取
  • 総カロリー:体重が維持できる or 微増 になるように!

「トレーニングさえしていればOK」の考えはNGです。

筋肥大目的には不十分

こちらの研究はベンチプレスとスクワットの筋力(1RM=最大重量)の向上についての研究になります。

よってこのボリュームで筋肥大するかはエビデンスが低いです。

⬛推測
筋力が維持できれば筋肉の大きさもある程度は維持できると考えます。

⬛注意点

しかし筋肉の維持はトレーニングで使用する部位のみでしょう。

✅BIG3で使用する筋肉

ベンチプレス…大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋
スクワット…大腿四頭筋、ハムストリング
デッドリフト…脊柱起立筋、大殿筋

✅BIG3で関与しにくい筋肉

  • 広背筋
  • 上腕二頭筋
  • 三角筋中部、後部
  • 腹筋

これらの筋肉を少しでも増やしたい場合は補助種目を追加した方がよさそうです。

トレーニング実践例

⬛週2回のトレーニング例

各MAX重量がベンチプレス 80kg、スクワット 100kg、デッドリフト 120kgの場合。

1️⃣月曜日

種目:スクワット
20kg × 10回
60kg × 8回
メインセット(強度80%)80kg 限界まで

種目:ベンチプレス
20kg × 10回
40kg × 8回
メインセット(強度80%)65kg 限界まで

👉TOTAL時間 10分

2️⃣木曜日

1️⃣の内容にデッドリフトをプラス
種目:デッドリフト
40kg × 8回
70kg × 5回
メインセット(強度80%)95kg 限界まで

👉TOTAL時間 15分

  • 強度は70~85%で調整可能です。
  • デッドリフトは疲労が大きいため週1としています。

⬛筋肉のバランス重視の場合

BIG3では関与しにくい広背筋と二頭筋をカバーします。

逆手懸垂を1️⃣に追加。
1セット限界まで。10回を超えたら荷重。

この筋トレ法が向いている人

  • 忙しくて時間が取れない社会人・副業中・育児中の方
  • スポーツの補強で最低限の筋力をつけたい方
  • 勉強や試験など、他に優先事項がある方
  • 筋トレ歴があるが「疲労が抜けない」人のリカバリー週にもおすすめ!

まとめ

筋力が伸びる最低限のトレーニング内容はメインセットが1セットの週2回です。

ポイント
  • 初心者には適さない
  • 女性、初級~中級者に当てはまる
  • 上級者は伸びが期待できない。良くて維持
  • 食事はしっかりとる
  • 筋肉をバランスよく維持したい場合は補助種目を追加した方がよさそう

コメント

タイトルとURLをコピーしました